北千住駅から隅田川方面へ10分ほど歩く。
飲み屋の喧騒が少しずつ遠ざかり、住宅街の静けさが増してくる頃、墨堤通り沿いに現れるのが SLOW JET COFFEE だ。
ガレージをリノベーションした建物は、街に馴染みながらも確かな存在感を放っている。
目的がなくても、なんとなく立ち寄りたくなる。

築40年のガレージが生まれ変わった、インダストリアルな空間
SLOW JET COFFEEは、築40年のガレージを改装して2014年にオープンした自家焙煎カフェ。
ガレージの床や壁、窓枠などを活かした空間づくりが特徴だ。
店内に入ると、黒いアイアンフレーム、木の天井、コンクリートの壁が目に飛び込んでくる。
無骨なのに、どこか温かい。
高い天井には適度な開放感があり、一人で過ごしていても居心地がいい。
本を読む人。
パソコンを開く人。
待ち合わせまでの時間を過ごす人。
誰もが自分のペースで過ごし、それぞれの時間が静かに流れている。
「サードプレイス(第3の居場所)」という言葉が、これほど似合うカフェも多くない。

「SLOW」と「JET」が意味するもの
店名には、コーヒーへの考え方がそのまま込められている。
「SLOW」は、一杯ずつ丁寧に淹れるハンドドリップ。
「JET」は、深煎り豆を高速抽出するエスプレッソ。
異なる二つの抽出方法を共存させながら、コーヒーを特別な嗜好品ではなく、毎日の暮らしの中にある身近な存在として届けたいという想いがある。
今回いただいたアイスコーヒーも、苦味とすっきりとした後味のバランスが心地いい。

北千住の朝を変えてくれるカフェ
SLOW JET COFFEEは朝7時から営業している。
モーニング、ランチ、カフェ利用まで、一日を通してさまざまな使い方ができるのも魅力だ。
少し早起きして訪れる。
窓際の席でコーヒーを飲みながら、その日の予定を考える。あるいは、何も考えない。
都心から少し離れただけなのに、時間の流れがゆっくりになる。
SLOW JET COFFEEは、コーヒーを飲むためだけの場所ではない。
忙しい日々の中で、意識的に「急がない時間」をつくるための居場所なのだ。