東京・清澄白河は、スペシャルティコーヒーの街として知られている。
ブルーボトルやARiSE Coffee Roastersを巡る人も多いけれど、その中心に静かに構えるのが、ALLPRESS ESPRESSO 東京ロースタリー&カフェだ。
ここは「カフェ」でありながら、同時にロースタリーでもある。
ニュージーランドで1989年に生まれたALLPRESSは、世界中の独立系カフェへ豆を届けるロースター。現在は東京を含む世界各地で焙煎を行い、「甘さ・クリーンさ・安定した味」を軸にしたコーヒーづくりを続けている。
倉庫だった建物が、街のランドマークになった
訪れて驚くのは、店舗の大きさだ。
木材をふんだんに使ったファサード。
大きなガラス越しに見える焙煎機。
天井の高さが、そのまま建物の歴史を物語っている。
実はこの建物、もともとは古い木材倉庫。
その構造を活かしながらリノベーションされ、今では東京ロースタリーとして生まれ変わった。
倉庫らしい無骨さと、現代的なデザインが違和感なく共存している。

ガラス一枚向こうで、コーヒーが生まれている
店内へ入ると最初に目に飛び込んでくるのは、麻袋が積まれたロースタリー。
天井まで届く大きな空間の奥では、バリスタがテンポよくエスプレッソを抽出している。
観光地らしい演出はない。
焙煎工場として実際に動いているからこその空気がある。

コーヒーを「飲む場所」ではなく、「つくられている場所」に立ち会える感覚。
この距離感が、ALLPRESSらしさだ。
アイスコーヒー一杯でも十分に伝わる
今回はシンプルにアイスコーヒーを注文。
派手な酸味ではなく、後味がすっと消えていく。
飲みやすいのに薄くない。
「毎日飲みたい味」を突き詰めるALLPRESSの考え方が、そのまま一杯に表れているようだった。

豆を買って帰る時間まで含めて楽しみたい
帰り際、多くの人が紙袋を片手に店を出ていく。

自宅でも同じ味を楽しみたい人。
お気に入りのカフェと同じ豆を使いたい人。
そんな日常の延長として、この場所がある。
コーヒーを飲んで終わりではなく、「家でも続きを楽しむ」。
そんな過ごし方が自然と似合う店だった。
最近は「映えるカフェ」が増えた。
でもALLPRESSは少し違う。
ここには、コーヒーを飾るためではなく、本気でつくり続けてきた人たちの空気がある。
麻袋の匂い。
焙煎機の音。
バリスタの無駄のない動き。
どれも演出ではない。
清澄白河を歩くなら、一杯のコーヒーだけでなく、「コーヒーが生まれる場所」を体験しに立ち寄ってみてほしい。