「Don’t Buy This Jacket」から始まったPatagoniaが教えてくれる、本当に豊かな暮らし

Patagoniaはなぜ世界中で支持され続けるのか。創業者イヴォン・シュイナードの哲学から「Don't Buy This Jacket」、環境保護への取り組みまで、MOZiらしい視点でPatagoniaというブランドの本質を紐解きます。

フリースを着る理由は、暖かいから。

シェルを羽織る理由は、雨を防ぐため。

それだけなら、Patagoniaである必要はない。

それでも多くの人がPatagoniaを選ぶのは、その服の向こう側にある思想に共感しているからだ。

「壊れるまで使う」が、一番かっこいい

1973年、クライマーだったイヴォン・シュイナードはPatagoniaを創業した。

最初につくっていたのは洋服ではない。

岩を登るためのクライミングギアだった。

しかし彼はある日、自分たちが売るピトン(岩に打ち込む金具)が岩肌を傷つけていることに気づく。

利益は出ていた。

それでも販売を縮小し、環境への負荷が少ない別の道具へ切り替えた。

ブランドの歴史は、「売れるものを売る」のではなく、「自然にとって正しいものを選ぶ」という決断から始まっている。

「Don’t Buy This Jacket」という広告

2011年、ブラックフライデー。

Patagoniaは新聞に大胆な広告を掲載した。

「Don’t Buy This Jacket.

「このジャケットを、本当に必要ですか?」

普通のブランドなら絶対に言わない言葉だ。

でもPatagoniaは、服を長く使うことこそ環境に優しいと考えている。

だから修理を勧める。

中古を販売する。

買い替えではなく、使い続ける文化を育てようとしている。

売上よりも、地球の未来を優先する。

その姿勢は、ブランドのマーケティングではなく哲学になっている。

服を作る会社から、地球を守る会社へ

2022年、イヴォン・シュイナードは会社の所有権を家族ではなく、地球環境保護のための仕組みに託した。

利益は株主ではなく、環境保全活動へ使われる。

「Earth is now our only shareholder(地球が私たち唯一の株主)」という言葉は、世界中で大きな話題になった。

Patagoniaが愛される理由

Patagoniaは機能性だけで選ばれているブランドではない。

街でフリースを着ている人も、

山でシェルを着ている人も、

きっとどこかで、その考え方に惹かれている。

モノを大切にする。

自然を楽しむ。

必要以上に買わない。

そんな価値観を、服という形で表現しているブランドだからだ。

Patagoniaを着ることは、流行を身につけることではない。

自然の中でどう遊ぶか。

モノとどう付き合うか。

豊かさとは何か。

そんな問いを、毎日着る服から考えることなのかもしれない。

だからPatagoniaは50年以上経った今も、アウトドアブランドの枠を超えて、多くの人の人生に寄り添い続けている。

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