動物園へ行くと、「珍しい動物を見た」で終わることが多い。
でも、茨城県行方市にある霞ケ浦 どうぶつとみんなのいえは少し違う。
ここで感じるのは、動物との距離だ。
檻越しに眺めるのではなく、同じ空間を歩きながら、その息づかいまで感じられる。
そんな体験が、この場所にはある。
2024年7月にオープンしたこの施設は、霞ヶ浦ふれあいランドをリニューアルして誕生し、「動物園」と名乗るよりも、人と自然が共生する場所を目指してつくられている。
思わず目を奪われる、オニオオハシ
最初に迎えてくれたのは、大きなくちばしが印象的なオニオオハシ。
鮮やかなオレンジ色のくちばしは写真で見る以上の存在感があり、木の上で静かにこちらを見つめる姿はどこか神秘的だった。
派手なのに、どこか品がある。
鳥というより、一つのアート作品のように感じられる。

カピバラは、今日もマイペース
園内で最も癒されたのはカピバラ。

お腹を見せながら完全にリラックスした姿は、こちらまで力が抜けてしまうほど。
撫でるとゆっくり目を閉じ、その穏やかな時間が流れていく。
「急がなくてもいい。」
そんなことを教えてくれる動物なのかもしれない。

キリンを見上げる贅沢
この施設の人気者といえばアミメキリン。
歩廊を歩くと、目線の高さが変わり、見上げたり、同じ高さで目が合ったりする。
ただ展示されているのではなく、「そこに暮らしている」感覚。
餌やり体験も人気で、その距離の近さは想像以上だ。

ビーバーの仕事ぶりに見入る
木をかじり、水辺で暮らすビーバー。
映像では何度も見たことがある動物だけれど、実際に目の前で見ると、その前足の器用さや動きの細かさに驚かされる。
ここではビーバーのおやつ体験なども開催されており、動物の生態をより身近に感じられる。

ペンギンは歩くだけでかわいい
ケープペンギンは、水の中だけでなく歩く姿も魅力。
ちょこちょこと歩きながら、時折こちらを見上げる。
子どもだけでなく、大人まで自然と笑顔になってしまう。

建築まで楽しめる、新しい動物施設
「どうぶつとみんなのいえ」が面白いのは、建物そのものも目的地になること。
既存施設を活かした建築は、歩廊を巡りながら動物と自然を感じられる設計になっている。
檻を強く意識させない空間づくりは、「動物を見る」のではなく、「動物の近くで過ごす」という感覚を与えてくれる。
建築面でも高く評価され、日本建築学会賞を受賞している。