神田には、仕事帰りの人たちが行き交う大通りのすぐ隣に、少しだけ時間の流れが違う場所がある。
駅から歩いて数分。
ビルの間を抜けて、小さな店へ。
そこにあるのが、神田GOTARUだ。
以前から長崎の鮮魚や九州の日本酒を楽しめる店として知られていたが、2026年7月にリニューアル。
店の雰囲気も、料理も、少し新しくなった。
それでも、神田の路地にある酒場らしい落ち着きは残っている。
仕事終わりに一杯。
誰かとゆっくり食事。
あるいは、一人でカウンターに座る。
そんな使い方が似合う店だ。
「何を食べるか」より、まず一杯
居酒屋に入って、最初に考えること。
今日は何を食べようか。
もちろん、それも大切だ。
でも神田GOTARUでは、その前にまず飲み物を頼みたくなる。
ビールでもいい。
日本酒でもいい。
焼酎でもいい。
九州をベースにした日本酒や焼酎を揃えているのも、この店の魅力のひとつ。日本酒は長崎・九州の銘柄を中心に用意されている。
料理を待ちながらグラスを傾ける。
その時間が、もう食事の一部になっている。
テーブルに料理が並ぶと、夜が始まる
今回いただいたのは、いくつかの料理を少しずつ。
大きな黒い皿の上には、ちょうどよいサイズ感の料理が並ぶ。
一皿の中に、いろいろな味が並んでいる。
料理そのものは、奇をてらっているわけではない。
むしろ、酒と一緒に食べたくなるものが多い。
ひと口食べて、酒を飲む。
もう一品つまむ。
話が少し弾む。
気がつけば、最初に思っていたより長く座っている。
こういう時間が、居酒屋にはある。
九州の料理は、酒との距離が近い
神田GOTARUの以前からの軸にあるのが、長崎・九州の料理。
長崎松浦港から直送される鮮魚を使った刺身や、長崎平戸産ハーブ鯖、なめろう、五島うどんなど、土地の味を感じられる料理が並ぶ。
なかでも面白いのが、長崎名物の「ハトシ」。
海老や魚のすり身をパンで挟んで揚げ焼きにする、長崎の郷土料理だ。
知らない料理を注文してみる。
出てきた料理を見て、
「これ、何だろう?」
と話す。
その瞬間から、食事が少し楽しくなる。
ご当地料理の面白さは、そういうところにもある。
リニューアルしても、酒場の温度は残っている
今回訪れて感じたのは、きれいに作り込まれたレストランとは少し違うこと。
カウンターがあり、テーブルがあり、店員さんとの距離も近い。
2026年8月のリニューアル後の口コミでも、以前とは異なるメニューが加わり、以前の店長の流れを受け継いだ新しいスタイルになっていることが紹介されている。
新しくなっている。
でも、ちゃんと酒場だ。
そこがいい。
最近は、料理も内装もサービスも、すべてがきれいに整った店が増えている。
もちろん、それはそれでいい。
でも、少し肩の力を抜いて飲める店も必要だ。
神田GOTARUには、その余白がある。
神田という街にちょうどいい
神田という街には、独特のバランスがある。
オフィス街でありながら、昔ながらの飲み屋が残っている。
新しい店もあれば、何十年も続いている店もある。
仕事を終えた人が、駅へ向かう。
その途中で、
「もう一杯だけ」
となる。
神田GOTARUは、そんな街の使い方にちょうどいい。
神田駅から徒歩約4分。
新日本橋駅からなら徒歩約3分という立地も使いやすい。
わざわざ遠くから訪れるというより、
神田に来たなら、少し寄っていく。
そんな距離感だ。