山道を走る。
窓の外に見えるのは、木々と空。
少しずつ標高が上がっていく。
そして、突然視界が開ける。
目の前に広がるのは、どこまでも続く草原。
放牧された牛がいて、遠くの山々まで見渡せる。
そんな四国カルストの一角に、ぽつんと一軒のコーヒースタンドがある。
カルスト珈琲。
ここで飲むコーヒーは、きっと東京のカフェで飲むものと同じではない。
豆が特別だから、というだけではない。
その一杯の背景にある景色が、あまりにも大きいからだ。
コーヒーを飲むために、山を登る
カルスト珈琲があるのは、愛媛県久万高原町。
四国カルストの姫鶴平に位置し、標高約1,400mの場所にあると紹介されている。

ここまで来る道は、決して気軽な街中のドライブではない。
山道を進み、カーブをいくつも越える。
それでも、景色が変わるたびに、
「来てよかったな」
と思える。
そして、その先にあるのがカルスト珈琲。
よく考えれば不思議だ。
コーヒーを飲むだけなら、街中にいくらでも店がある。
それでも、わざわざ山の上まで来る。
その理由は、たぶんコーヒーだけではない。
ここで飲むことそのものが目的になる。
草原の真ん中にあるコーヒースタンド
カルスト珈琲の魅力は、まずロケーション。
四国カルストの草原の中に、白い小さな店舗が佇んでいる。
大きな建物ではない。
むしろ、広すぎる景色の中では小さく見える。
その感じがいい。
周りには、高層ビルもない。
看板が連なる商店街もない。
ただ草原と山と空がある。
口コミでも「大自然の中にポツリと建つコンテナ型のカフェ」や、景色の中で飲むコーヒーの心地よさが印象として挙げられている。
お店を目的地として考えるというより、
四国カルストの景色の中に、カルスト珈琲がある。
そう考えるほうがしっくりくる。
一杯のコーヒーが、いつもより美味しく感じる
注文する。
コーヒーができるまで、少し待つ。
でも、その時間を急ぐ必要はない。
目の前には山。
風が吹いている。
空が広い。
普段なら数分でも長く感じる待ち時間が、ここでは妙に心地いい。
そして、コーヒーを受け取る。
熱い一杯を手にして、草原を眺める。
それだけ。
でも、その「それだけ」がいい。
四国カルストを訪れた人の口コミでも、ハンドドリップのコーヒーと大自然の景色を合わせて楽しむ体験が印象に残っているという声がある。
コーヒーそのものだけを評価するのではなく、
この場所で飲むことまで含めて一杯。
カルスト珈琲の魅力は、そこにあるのだと思う。