パリの大衆食堂「シャルティエ」へ。100年以上続く、パリの日常を食べる

パリの老舗大衆食堂「Bouillon Chartier(ブイヨン・シャルティエ)」。1896年創業、歴史ある美しい空間でフランスの伝統料理を手頃な価格で楽しめる名店。パリの日常を感じられるシャルティエの魅力を紹介します。

パリで、どこでご飯を食べるか。

せっかくフランスに来たのだから、星付きレストランもいい。

でも、もう少し気軽に、パリの日常に入り込んでみたい。

そんなときに訪れたいのが、**Bouillon Chartier(ブイヨン・シャルティエ)**だ。

1896年創業。

100年以上にわたって、パリの人々に手頃な価格で食事を提供してきた老舗の大衆食堂だ。

現在もパリに複数の店舗を展開しているが、なかでもグラン・ブールヴァール店はシャルティエの原点ともいえる存在。

豪華な内装と、気取らない料理。

このギャップが、とても面白い。

まず、店に入った瞬間がすごい

シャルティエの魅力は、料理を食べる前から始まっている。

グラン・ブールヴァール店に入ると、そこに広がるのは巨大なダイニング。

高い天井。

大きな鏡。

木製の仕切り。

真鍮の装飾。

そして、柔らかな光を放つ照明。

まるで映画のワンシーンのような空間だ。

この店舗は1896年に誕生し、その歴史的な内装は1989年にフランスの文化遺産として登録されている。

けれど、ここは美術館ではない。

今も普通に人が食事をしている。

旅行者もいれば、地元の人もいる。

家族もいれば、一人で食事をする人もいる。

その雑多な感じが、またいい。

「ちゃんとした食事を、手頃な価格で」

シャルティエが100年以上続いてきた理由は、意外とシンプルだ。

創業者であるシャルティエ兄弟が掲げたのは、

「手頃な価格で、ちゃんとした食事を提供する」

という考え方。

19世紀のパリでは、労働者向けに温かい食事を安く提供する「ブイヨン」と呼ばれる店が広がっていた。

シャルティエもその流れから生まれた。

高級料理ではない。

けれど、ちゃんと美味しい。

そして、誰でも入れる。

その思想が、現在まで残っている。

パリの老舗大衆食堂「Bouillon Chartier(ブイヨン・シャルティエ)」。1896年創業、歴史ある美しい空間でフランスの伝統料理を手頃な価格で楽しめる名店。パリの日常を感じられるシャルティエの魅力を紹介します。

メニューも、気取らない

シャルティエで食べられるのは、フランスの家庭料理や昔ながらの食堂料理。

ウフ・マヨネーズ。

セロリのレムラード。

田舎風パテ。

ポワローのヴィネグレット。

ブフ・ブルギニヨン。

鶏のロースト。

ソーセージ。

レンズ豆と塩漬け豚。

そしてフライドポテトやチョコレートムース、ライスプディングなど。

名前だけを見ると、どこか素朴。

でも、これこそがフランスの日常なのだと思う。

安さだけが魅力ではない

シャルティエを語るとき、「安い」という言葉がよく出てくる。

もちろん、それも大きな魅力。

公式サイトでは、前菜は1ユーロから、メイン料理は7ユーロから、デザートは2ユーロからという価格帯を掲げている。

パリという街で、この価格。

かなり驚く。

ただ、実際に面白いのは「安い店」ということ以上に、この空間で、この料理を、この価格で食べることなのだと思う。

100年以上前から続く空間。

昔ながらの料理。

そして、今も多くの人がテーブルを囲んでいる。

それ自体が、ひとつのパリ観光になっている。

パリの老舗大衆食堂「Bouillon Chartier(ブイヨン・シャルティエ)」。1896年創業、歴史ある美しい空間でフランスの伝統料理を手頃な価格で楽しめる名店。パリの日常を感じられるシャルティエの魅力を紹介します。

テーブルの上には、パリの日常

シャルティエの店内は、とにかく活気がある。

ウェイターが大きなホールを行き交い、次々と料理が運ばれていく。

静かに料理を味わうというより、周囲の会話や食器の音まで含めて楽しむ場所。

テーブルとテーブルの距離も近い。

隣の席から聞こえてくるフランス語。

旅行者の楽しそうな声。

スタッフの動き。

料理の香り。

全部が混ざって、一つの空間になっている。

これが、なんともパリらしい。

「観光客向け」なのに、観光地っぽくない

もちろん、現在のシャルティエには世界中から観光客が訪れる。

それでも、いわゆる観光地のレストランとは少し違う。

店そのものが、パリの歴史の中でずっと営業を続けているからだ。

パリ観光局も、1896年の創業以来、地元のパリジャンから世界中の旅行者まで愛されてきた店として紹介している。

「パリに来たから、フランス料理を食べる」。

それもいい。

でも、

「パリの人たちは、昔からこんな場所でご飯を食べてきたんだ」

と感じられることのほうが、旅の記憶としては残るのかもしれない。

ワインと一緒に、ゆっくり

フランスの食堂だから、もちろんワインも似合う。

難しいことは考えず、料理をいくつか頼んで、グラスを傾ける。

パテを食べて。

パンを食べて。

肉料理を食べて。

ワインを飲む。

それだけでいい。

高級レストランのような緊張感はない。

むしろ、少し騒がしいくらいの空間で食べるからこそ、フランスの日常を感じられる。

パリに行ったら、一度は「普通のご飯」を

旅行では、どうしても「特別なもの」を探してしまう。

有名なレストラン。

人気のカフェ。

美しいスイーツ。

もちろん、それも旅の楽しみ。

でも、街を知るなら、そこで暮らす人たちの日常に少しだけ入ってみるのもいい。

シャルティエは、そんな場所だ。

豪華な建物の中で食べる、素朴なフランス料理。

隣の席には観光客。

その隣には地元の人。

そして、100年以上前から続いている空間。

なんだか不思議だ。

古いのに、今もちゃんと日常。

それがシャルティエの一番の魅力なのかもしれない。

パリの夜は、シャルティエで

パリには、美しいものがたくさんある。

ルーヴル。

エッフェル塔。

セーヌ川。

美術館。

ブティック。

でも、旅の記憶に残るのは、意外とこういう場所だったりする。

赤と白のテーブルクロス。

慌ただしく行き交うスタッフ。

熱々のフランス料理。

隣の席から聞こえる会話。

そして、グラスに注がれたワイン。

「パリの日常を食べる」

そんな感覚を味わえるのが、Bouillon Chartier。

パリを訪れるなら、一度はこの古き良き食堂の扉を開けてみたい。

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