世田谷・池尻。 廃校になった中学校を、そのままリノベーションした複合施設がある。 HOME/WORK VILLAGE(ホームワークヴィレッジ)。
校舎の一角に、大きな食堂があると聞いて訪ねてみた。 「Marked池尻 / GOOD TEMPO -MUSIC, BAR & PLANTS」。
かつての教室に、いまは音楽と植物が流れている。 その落差が、なんだか面白い。
かつての校舎に、レコードとスピーカー
店内に入ると、壁一面のレコード。 その脇に、大きなヴィンテージのスピーカーが構えている。
木の椅子はどれも表情が違って、床はコンクリートのまま。 あちこちに、南国の植物が置かれている。
きっちり整いすぎていない。 その「敢えて整えない」感じが、妙に落ち着く。 子ども連れも、一人客も、思い思いに過ごしていた。

昼は食堂、夜は音楽バー
いいのは、時間で表情が変わること。
昼は街の食堂として、自家焙煎の珈琲や、野菜を使った食事、パンが並ぶ。 夜になると、レコードを背にDJが音を鳴らす音楽バーに変わるという。
テーマは「アーバン・トロピカル」。 都会の真ん中に、少しだけリゾートがにじむ。 そういう距離感が、ちょうどいい。
旬を詰めた、ひとさじのアイス
昼に頼んだのは、アイス。
赤いベリーと、白いミルク。 ガラスの器に、ふたすくい。
甘さと酸味が、木のテーブルの上で静かに溶けていく。 珈琲や食事のあとに、こういう一皿があるのはうれしい。

学校の記憶が、街の居場所になる
黒板も机ももうないけれど。 音の記憶だけは、この場所に受け継がれている気がする。
観光地でもなく、気取った店でもない。 池尻の街に、自然体で根をおろしている。
老若男女、誰が来てもいい。 そんな緩さが、また来たくなる理由なのだと思う。
学校の跡地で、音楽と植物に囲まれて過ごす半日。 なかなか、他にはない時間だった。