渋谷と表参道の間。
青山通りから少し入った場所に、ちょっと変わった店がある。

名前は「BAR BUTTER」。
その名の通り、夜はバー。
カウンターには酒が並び、静かにグラスを傾けるような空間だ。

でも、昼になると話が変わる。
この店で食べられるのが、「バーテンダーの深夜カレー」。
夜のためにつくられたカレーを、昼に食べる。
なんだか、この時点でもう気になる。
昼のBARという、ちょっとした違和感
BAR BUTTERは渋谷駅、表参道駅からそれぞれ徒歩7分ほど。
青山宮野ビルの2階にある、小さなバーだ。
昼間に訪れると、夜とは違う静かな空気。
カウンターの向こうには酒が並んでいる。
それなのに、注文するのはカレー。
このアンバランスさがいい。
カレー専門店に行くのとは、少し違う。
「バーでカレーを食べる」という体験そのものが、ちょっと面白い。
メニューは潔く、カレー
ランチのメニューはかなりシンプル。
以前から「バーテンダーの深夜カレー」を中心に、カレーと大盛り、ドリンクという潔い構成で営業している。
こういう店が好きだ。
選択肢が多すぎない。
席について、カレーを頼む。
あとは待つだけ。
忙しい渋谷の昼に、妙にちょうどいい。
さらっとしたルーと、ほろほろのチキン
運ばれてくるカレーは、いわゆる日本の家庭的なカレーとは少し違う。
ルーは粘度が低く、さらっとしたタイプ。
スパイスの香りがありながら、野菜の甘みも感じられる。
そして、このカレーの主役ともいえるのが骨付きチキン。
じっくり煮込まれた鶏肉は、スプーンでもほぐせるほど柔らかいという。
ごろっとした具材がたくさん入ったカレーではない。
むしろシンプル。
だからこそ、ルーとチキンの存在感が際立つ。

「バーテンダーの深夜カレー」という名前がいい
個人的に好きなのは、この名前だ。
バーテンダーの深夜カレー。
カレー専門店が考えたカレーではなく、夜のバーを営むバーテンダーがつくるカレー。
名前だけで、なんとなく夜の景色が浮かぶ。
営業が終わった深夜。
店を閉める前に、まかないとして食べるカレー。
そんな物語まで想像してしまう。
実際の背景を知らなくても、名前だけでちょっと飲みたくなる。
昼なのに。
渋谷で、カレーを食べるなら
渋谷には、もちろんカレーの名店がたくさんある。
行列のできる人気店もあれば、スパイスを追求した専門店もある。
そんな中でBAR BUTTERは、少し違う。
カレーそのものだけではなく、
「バーでカレーを食べる」
という時間を楽しむ店だ。
カウンターに座って、酒のボトルを眺めながらカレーを食べる。
昼なのに、少しだけ夜の気分。
そういう小さなズレが、面白い。
たまには、ランチを目的にしすぎない
ランチは効率よく食べるもの。
そう考えてしまうこともある。
でも、こういう店に行くと、もう少し余白があってもいいと思う。
バーに入ってカレーを食べる。
それだけ。
だけど、いつものランチとは少し違う。
渋谷の街を歩いていて、たまたま見つけた店に入る。
そんな昼の過ごし方も悪くない。
夜はバー。昼はカレー。
そのギャップを楽しみに、BAR BUTTERへ。
渋谷と表参道の間には、まだまだこういう小さな発見が残っている。