水戸駅から歩いて7分ほど。
大通り沿いを歩いていると、無機質なコンクリートの建物に、柔らかな明かりが灯る小さなコーヒーショップが現れる。
HITACHINO COFFEE(ヒタチノコーヒー)。

2023年に水戸で誕生した、スペシャルティコーヒーのロースタリーだ。店内には焙煎所を併設し、産地ごとの個性を生かした浅煎りのコーヒーを楽しめる。
コーヒーショップだけど、少し違う
店に入るとまず目に入るのが、フルオープンのカウンター。
コンクリートの壁やシンプルな家具をベースにしながら、木の素材や照明が柔らかさを加えている。
飾りすぎていない。
けれど、どこか印象に残る。
店内には1980年代のドイツ製PROBAT 12kg焙煎機が置かれていて、ここでコーヒー豆が焙煎されている。焙煎所とカフェがひとつになっているからこそ、コーヒーができるまでの時間まで感じられる空間だ。

「浅煎り=酸っぱい」ではない
HITACHINO COFFEEが大切にしているのは、豆そのものが持つ個性。
浅煎りを中心としたスペシャルティコーヒーを、一杯ずつ丁寧に抽出している。
目指しているのは、甘くフルーティーで、紅茶のように軽やかな味わい。
「コーヒーは黒くて苦いもの」というイメージとは、少し違う世界がここにはある。
実際にいただいた一杯も、重たさよりも軽やかさが印象的だった。
コーヒーを飲むというより、香りや温度の変化をゆっくり楽しむ。
そんな感覚に近い。
水戸の街を歩く途中に
HITACHINO COFFEEの良さは、コーヒーだけではないと思う。
水戸駅から歩いて行ける距離にあり、街を歩いている途中にふらっと立ち寄れる。
コーヒーをテイクアウトして、もう少し街を歩いてみる。
あるいは店内で一杯飲んでから、次の目的地へ向かう。
観光のためにわざわざ予定を組むというより、街歩きの途中に自然と組み込みたくなる場所だ。
水戸という街を少し違った角度から楽しませてくれる。
そんなコーヒースタンドなのかもしれない。

日常の中に、少しだけ特別な一杯を
コーヒーは、毎日のもの。
だからこそ、どこで飲むか、誰と飲むか、どんな空間で飲むかで、その時間は少し変わる。
HITACHINO COFFEEには、コーヒーを特別なものにしすぎない心地よさがある。
街の中にあって、気軽に立ち寄れる。
それでいて、一杯のコーヒーにはきちんとこだわりがある。
水戸を訪れたとき。
駅から少し歩いて、街の空気を感じながら向かってみる。
そして、カウンターで一杯。
そんな時間を過ごしてみたい。
HITACHINO COFFEEは、水戸の街に新しいコーヒーの風景をつくっている。
